いじめと戦おう!〜対策と克服法〜
112.中1〜3男子・・・学校でのいじめ(現在、30歳)

 ご本人からのメール

〔いつごろ?〕
 中1〜中3

〔いじめグループは何人?〕
 クラスの5〜6人の男子+同学年の女子の数人

〔どんな悪口を言われた?〕
 うざい、きもい、ダサいなど

〔いじめのくわしい内容〕
 (きっかけ)
 中学に入学したときにクラスに保育園、小学校時代から僕をからかっていた男子が1人いました。入学早々、その男子Wがクラスで公然と僕をからかい始め、それが何人かの男子に広まっていきました。

(いじめの内容)
 あまり過激なこととはここに書いてはいけないかもしれないので簡単に書きますが、僕がウケたいじめは、いろいろあるし、それぞれ濃淡があります。
 授業中、答えられないとバカにされたり、思いっきり笑われたりする。
 きもい、ダサいなどと影日向で陰口を言われることは当たり前
 プロレス技をしかけられて、電気按摩されたり、カイボウ(無理やりパンツを脱がされる)も何回か経験しました。
 勝手にペンや消しゴムを使われる。
 休み時間などでストレス解消の道具にされていました。


 これだけでも、ひどいいじめを受けていたことがわかってもらえると思いますが、トラウマになっているエピソードを少しだけ紹介します。


(エピソード1)上級生から目を付けられるような服装を強要される。
 僕が通っていた中学は、ヤンキーみたいな人はあまりいませんでしたが、こわい上級生や半グレ系の不良生徒はいました。
 制服や体操服の着こなし方やカバンの持ち方も、学年とか生徒の格付けで、暗黙のルールがあって、1年生の身分で上級生のような恰好は禁止でした。

 たとえば、冬の体操服(ジャージ)は、襟を立てて着るのは3年生はOK、上履きのかかとを踏めるのは2年生から、とざっとこんな感じでした。
 ところが、僕に、上級生のような恰好をさせて、上級生の目の前を通り過ぎて来いと命令しました。
 そんなことをすればすぐに、なんだこいつ!となりますよね。
 それを遠目で見ている僕の同級生は、ゲラゲラ笑っていました。
 つまり、僕に恥をかかせたい、僕が上級生から目を付けられて僕が困る様子をわざわざ作り出して楽しんでいるのでした。
 高度ないじめといいうか、知能犯的ないじめでした。


(エピソード2)通学カバンや上履きをわざと汚される、壊される。
 中学生のいじめなので、そんなに頭脳を使ったようないじめばかりではありません。
 単純に、持ち物を奪われたり、隠されたりもしました。
 上履きがトイレの大便器に捨てられていたり、通学カバンが教室のゴミ箱に丸ごと入れられて、あやうくゴミ処理されそうになったこともありました。

 中1で入学したときは、そういう持ち物は全部新品でピカピカのはずです。3年間きれいに使う人もいましたが、僕は、先ほどの男子Wを中心に、僕の上履きを彼らの上履きで踏まれてたちまち汚されました。
 体育館で体育をするときは、体育館前で履き替えますが、なぜか僕の上履きだけがクラスのみんなに踏まれていくのです。置いていた位置を変えても同じでした。
 教室の床は汚れていますが、僕の上履きを裏返しにして床掃除に使われることもありました。
 似たようなことを通学カバンでもやられました。
 僕の中学の通学カバンは学校で指定モノで、白い布でできていました。
 つまり、最初の新品のうちはちょっとした汚れでもとても目立つのです。
 入学して10日もたたないうちに、思いっきり彼らのたくましい脚で、僕の真新しい通学カバンを床に踏みにじって汚されました。
 後で、水で洗ってひどい汚れは落としましたが、そんなことは序の口で、肩から掛けるベルト部分をハサミでカットされたり、カバンにハサミを突き刺してほころび穴を作ったりして、いわゆる「不良風のカバン」に勝手にされて、そんなタイプではない僕にとっては、そういうカバンを使っているのを他人に見られることが本当に恥ずかしかったです。


(エピソード3)女子に恥ずかしいところを見られる。
 電気按摩やカイボウはご存知の方も多いと思いますがので、ここでは書きませんが、中学生になると異性だけでなく、同性の身体的な変化にも関心が集まります。
 ここでお話するのも恥ずかしいのですが、僕は、中1の頃は、ちょっとしたことですぐに股間が硬直するくせがありました。
 それをも逃さなかったのも男子Wでした。
 朝、学校に通学してクラスに入ると、後ろと前の黒板に僕をパロディ化した絵が書いてありました。それに気づいた僕は、すぐに黒板消しで消しますが、その消している様子を見て、みんなから大笑いされました。
 身体測定のときとか、プールの授業のとき、集会で整列しているときにも、いろいろなひとから僕の股間を触られたり、握りしめられたりされて、そんなことをされるとすぐに硬直してしまって、それが僕の中学時代の悩みでした。
 そういう状態に陥っていると、それを見た男子は、わざわざみんなに注目するように宣伝されたり、体操服のズボンの部分を両手で持ち上げられると、股間部分が際立って見えますが、宙づりにされている僕の姿をクラスの女子たちに見られたのも屈辱的でした。


(エピソード4)暴力ではないけど暴力的
 僕は、中学のときは、いろいろないじめを受けましたが、病院に行くような大けがをするような暴力は受けなかったのが幸いでした。
 そういう暴力はありませんでしたが、クラスの底辺的な人間というクラスの共通認識があったことが悔しかったです。

 たとえば、体育で柔道の時間がありましたが、寝技で抑え込まれているシーン。抑え込まれるのはもちろん僕と決まっています。休み時間はプロレス技を仕掛けられ、体育の授業では寝技で抑え込まれ、情けないかぎりです。
 僕を寝技で抑え込んでいる相手の顔が必死なのが印象的でした。
 僕は、柔道着の襟をつかまれ、床に横倒しにされています。僕の体のうえに馬乗りみたいになり、僕の首元を押さえつけています。それだけでも、もう僕は身動きできない状態ですが、彼の手は、ますます僕の首元を圧迫します。
 僕の顔は赤くなっていたかもしれません。しかし、同じように彼の顔も歯を食いしばって、力のかぎり僕を痛めつけている様子でした。

 体育の授業が終わった後、その男子は、クラスのみんなに「あーあ、気持ちよかった。スカッとしたよ。」と誇らしげに語っているのを僕が聞きました。


(どうやって耐えたか)
 とにかく2年のクラス替えまで我慢することにしました。
 中2も中3もその男子Wとは違うクラスになりました。
 しかし、そのWから直接のいじめはなくなりましたが、もう多くの男子に僕がいじめのターゲットという認識が広まってしまったので、クラス替えをしても今度は、別の男子からいじめられました。
 中2くらいになると、女子の中にも僕のような男子をバカにしたり見下す態度をされたりして、もう中学を卒業するまでずっと耐えるしかありませんでした。



いくつか、質問させていただきました。ありがとうございました。

Q1.親や先生には、相談されなかったんでしょうか。(もし相談しなかったのなら、その理由も教えてください)

 僕がみじめな姿を知られるのが恥ずかしかったので相談しませんでした。
 通学カバンが汚れていたのを不審に思われたこともありましたが、全部、僕自身がやったことにして済ませていました。
 もし先生に相談すれば、クラスや部活の仲間を全員敵に回したように言われ、その後みんなといっしょにやっていけなくなるのが怖くて、正直に打ち明けることができませんでした。
 こんな状態の僕でもクラスや部活動は、僕の居場所でもあったので、軽々に相談できませんでした。


Q2.助けてくれる人や、優しくしてくれる人はいましたか。

 同じクラスや学年にも小学生時代からずっと遊んだ友達はいましたが、僕がいじめのターゲットになると、だんだんよそよそしくなっていきました。
 中学になると、それぞれの仲間を作って行動するので、小学校以来の旧友に、僕を助けてもらうことは期待できませんでした。


Q3.何か部活には入っていましたか。

 バスケットボールです。


Q4.辛くて辛くて、どうしようもないとき、どのように考えて自分を励ましましたか。

 自分を励ますことはありませんでした。
 不運を嘆くことしかできませんでした。
 自分で状況を変えることなどできなかったのです。
 だから、あきらめ。
 成績はガタ落ち。みじめな奴と思われる。全部、受け入れてしまったというとかっこがいいのですが、半分、ふてくされたような感じでやり過ごしていました。


Q5.もし、今の知識・経験をもって、中1のときに戻ったとしたら、どのように行動しますか。
 中1に戻っても、また同じことが起きると思います。
 同じクラスに僕の天敵とも言うべきいじわるな男子がいる限り、僕は痛めつけられます。
 しかし、これは妄想ですが、僕も彼らに負けないような強靭な身体の持ち主だったら、1発、彼らと取っ組み合いのけんかでもして、打ち負かせば、一目置かれて違う中学生活を送れたのではないかなと思います。
 それとも、彼らの行動パターンと同じ行動するとか。授業をサボる。寝る。他人をいじめる。迷惑をかけるなど。
 でも、そのようにしていたら、今ごろ、僕はろくでもない人間になっていたでしょう。
 どちらがいいのか、悪いのか、それは今の僕でも判断できません。


Q6.その後、高校では、いじめはありましたか。

 高校では、中学のときのように僕をいじめるような人はいませんでした。


Q7.高校生活は楽しかったでしょうか。

 半グレとかヤンキーのタイプの学生はいなかったので、暗黒の中学時代に比べれば天国のような居心地でした。
 でも、中学時代の僕を知る人が同じ高校にもいたので、僕の過去がバレるのが心配でした。


Q8.高校卒業後はどのように過ごされましたか。

 僕をいじめていた人たちは、みんな別の高校に進学してしまいました。
 平凡な生活を送ることができました。


Q9.現在はどのようなお仕事をされているか、よろしければ教えてください。

 地元の中小企業で経理の仕事をしています。


Q10.「あのとき死なないで良かった!」と思えるような時は、どのような時ですか?

 どんな人間でも誰かの役に立つこともあると思ったときです。
 パソコンやITを年配者に教えたり、見知らぬ人に道を尋ねられて教えたり、そういう些細な事でも嬉しいものです。


Q11.もし、中学のときのいじめっ子連中のその後をご存知でしたら、教えてください。

 高校が行ってしまったので、その後の情報はありません。
 僕をいじめていた人たちは、決して僕の友達ではないので、居場所や連絡先も知りません。
 だから、彼らがどういう人間に成長したのかということは知る由もありません。


Q12.最後に、いじめられっ子に向けてメッセージをお願いします!

 辛いことも永久に続くわけではないので、いつかは良くなることを信じて、今の現状を乗り越えていってほしいです。
 その乗り越え方は人それぞれです。
 先生に相談すること、友達に助けてもらうこと、ひたすら耐えること、逃げてしまうことなど、置かれた状況によって選択肢は違うと思います。
 どんな人でも、生きている限り何か方法が見つかる。
 そう信じて、決してあきらめないでください。

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