いじめと戦おう!〜対策と克服法〜
20.小5〜6女子…クラスでのいじめ(現在、31歳)

 ご本人からのメール

〔いつごろから?〕
 小5-6年の頃

〔いじめグループは何人?〕
 3人

〔いじめグループはどんな人たち?〕
 リーダー格1人、取り巻き2人

〔まわりの人たちのようす〕
 とりあえずリーダー格に合わせるといった感じ


〔いじめのくわしい内容〕

 私が関東から関西の小学校に父の仕事の都合で転校したのは2年生の時でした。転入当初は特に何も無く、4年生までいじめに遭うことなく過ごしました。5年生でクラス変えがあった時、4年生の時別のクラスに転入してきた関東出身の子と同じクラスになりました。この子が後のいじめのリーダー格です。

 私は関西に越して3年目になっていたので関西弁も周りと同じように話していましたが、その子は関西弁はあまり話さず、最初は大人しい感じでした。外見は可愛く、男子の前ではぶりっ子といったタイプで、だんだん目立つようになりました。(今思えば関東人を貫いていたところがかっこ良く映ったのか、周りとは違う雰囲気が目立たせていたのかもしれません)

 クラスにはアイドル歌手グループを支持しているグループやらいくつかの仲良しグループがありましたが、私はもとからグループに属するのは好きじゃなく、別のクラスで近所に住む子と登下校を共にしていた程度で、普段は誰とでも分け隔てなく話していました。また、男子とも仲良く話すタイプでした。

 私は当初気づかなかったのですが、このリーダー格がある男子の事が好きで、その男子と私が仲良くしているのが気に入らず、無視といういじめが始まりました。最初は無視されているのに気づかなかったのですが、リーダー格と取り巻き2人はだんだん私に分かるように私とすれ違う時に「無視!」と言ったり、他の子達に私を無視するように指示していました。

 だんだんクラスの女子が私を無視するようになってきたので、他の子になぜ無視されているのかを聞いてみたところ、リーダー格がその男子の事を好きなのを知っているくせに私が目の前で仲良くするのが悪い、というような事を言われました。その時初めていじめの理由を知りました。

 そして、リーダー格に直接その話を言い、「知らなかったんだ、ごめんね」と謝ったのですが、これが彼女の怒りを爆発させたようで、取り巻き2人と「わざとやってた」だの、「最低」だの、あれこれ会うたびに言葉の暴力をふるってきました。


 それでも私は謝ったし、これ以上どうしたらいいの?と思い、ひとまずその男子とはなるべく話さないよう努めましたが、無視はしばらく続きました。そのうちだんだん無視する女子も少なくなり(幸い男子はこの事を知らず、普通に私に話し掛けてきたりしていました。)ほとぼりが冷めてきたと思われた頃、このリーダー格から呼び出しを受けました。(いわゆる体育館ウラです)

 最初は「気に入らない」「頭に来る」などの怒り発言から「いっそのこと飛び降りて死ねば?」など言われ続けました。こっちが黙っていると手を出してきたので、私も手を出しました。相手は3人でしたが案外弱く、逃げて行きました。


 次の日普通に学校に行くと、相変わらず無視はしているものの、私には関わらないと言った感じだったのでホッとし、いじめは終わったかなとも思っていました。

 しかし数日後また呼び出され、今度はリーダー格の姉とその友達が来ていて、相手は計5人になっていました。その姉が通っている中学校は地元でも不良が多く有名なところで見た感じも不良そのもの(当時のいわゆるスケバン)でした。向こうはケンカ道具の棒やらを持って来ていたので危ないとも思いましたが、こっちには兄が居ると思い、勇気を出しました(その姉と中学は別だが同級生)。そして、二度目のケンカをしました。怪我もしましたが、何とか勝ちました。


 家に帰ってさすがに母に驚かれ、事情を聞かれたので一部話しました。いじめの事実を知らなかった母はすぐに相手の親なり先生なりに連絡すると言っていましたが、私はとりあえずこの後何かあったらにしてと止めました。どうせ中学は別になるんだし、と割り切ってもいました。

 その後クラスでは相変わらずの無視が続きましたが私はもう怖いものなしと言った感じで堂々としていました。取り巻き2人は最後までスネ夫のようにリーダー格をヨイショしていましたが気にしませんでした。

 私は地元の小学生バスケットチームに入団し、スポーツに打ち込みました。その関係で新しい友達ができたのでリーダー格の事なんて気にもならなくなりました。そのうちバスケットチームに、いじめ(無視)をしていた女子が何人か入ってきましたが、新しい絆が生まれたので、いじめのことなどどうでも良くなりました。

 そのまま6年生に進級。リーダー格とは相変わらずの関係でしたが気にせず1年を過ごしました。卒業式の前日、酷い事を言われ、傷つき家に帰り少し閉じこもりましたが、その時リーダー格が電話をしてきて、受けた母が「もしかして、あなたがうちの子をいじめたの?」と聞いたことでびびったのか、卒業式の朝「お母さんに言ったの?」と声を掛けてきました。私は電話がかかってきた事を知らないフリをし、「え?何の事?」と聞いたら「なんでもない」と引き下がり、卒業後は連絡も何もありませんでした。

 いじめられていた時は本当に辛く、私も相手の言う通り「いっそのこと本当に飛び降りたら楽になるかもしれない」など思った事もありました。でも、死んだらそこで私の人生は終わってしまうけど、相手は終わらない。それが悔しくて自殺するなんてできませんでした。


 また私の場合、やることはやりました。知らなかったとはいえ、気分を悪くしたのならごめん、と謝りました。それでも和解出来なかったわけですから、無理に和解しようとも思いませんでしたし、相手に合わせようとも思いませんでした。

 ケンカを売られてとても怖かったのですが、絶対負けないと心に決めて相手にやり返しました。そして、勝ったということが自分の自信にも繋がったと思います。それまで運動系が苦手だった私でしたが、バスケットを始めた事で新しい自分を見出す事も出来ました。また、スポーツをしていると、学校でのことなんて、クヨクヨ考えなくなるんですよね。お風呂入って、ご飯食べて寝る!宿題は後!!といった生活リズムになると自然と早起きできるようになりました(朝練もありましたし)。

 その後、中学1年生の途中に父の転勤でまた引越しをしたので、小学校の同級生との連絡は途絶えてしまいました。18年後、SNSサイトで偶然同じクラスだった男子と連絡を取る事になり、再会しましたが当時のいじめの事は全く気づかなかったそうです。また、そのリーダー格と同じ中学に進学したそうですが、中学では目立つ事も無く、存在感が薄かったと聞きました。それを聞いただけで少し安心しました。

 私の経験談は恐らく、異例かとは思いますが、こういう克服もあるのだと
何かの役に立つかと思い投稿いたします。





※質問をさせていただきました。答えてくださって、本当にありがとうございました。

Q.「いっそ屋上から飛び降りてしまおうかと考えた」とのことですが、そのような時、どうやって自分を励まして学校に通われたんでしょうか。朝、学校に行くのが嫌で嫌でしょうがない時、どう奮い立たせて行かれたんですか。

 私には、いっしょに登下校している別のクラスの友達がいました。父親同士が同じ会社で、同じ社宅でした。家族ぐるみの付き合いもあり、とても仲良くしていました。

 彼女も私がクラスでいじめに遭っていることは知っていましたが、クラスが別というのと、リーダー格の子と同じクラスになったことが無いため、我関せずといった感じで私と付き合ってくれたのが一番大きかったかなと思っています。

 朝、学校に行くのが嫌だなと思っても毎朝笑顔で迎えに来てくれたし、登下校中は相談にも乗ってくれ、励ましてくれ、「私は絶対リーダー格が言ってきても無視をするようなことはしないから!」と言ってくれました。言わば彼女が居てくれたからこそ頑張ろうと思えたのかもしれません。バスケットチームに誘ってくれたのも彼女でした。(ちなみに呼び出しを受けた時は彼女も一緒に行くと言ってくれたのですが 私1人が呼ばれたからと説得し、彼女に先に帰ってもらいました。)

 今思えば、ですが、彼女と私があんなにも仲良くできたのは父親同士も仲が良かったからではないかと思います。私の父の方が少し年下でしたが、よく2人で飲んで帰ってきたり、家族ぐるみでバーベキューやキャンプなどをしたり、そして、彼女の父親がいつも私を可愛がってくれ、私の父もいつも彼女を可愛がっていました。

 だからこそ、学校以外での太い繋がりが出来上がり、学校でどんな事があっても大丈夫、と言った強みを持つことが出来たのかもしれません。

 私をいじめていたリーダー格だって、親にばれるのは怖がっていました。もし、ここで私の親とリーダー格の親が仲良ければいじめなんて起こらなかったのかもしれませんね。

 あと、飛び降りたら楽になるかもと思っていた時、じゃあ相手はどうなるんだろう?と考えたのです。霊に化けて相手に復讐できるかどうかも分かりませんし、相手だけのうのうと生きるなんて!とメラメラと燃えたのです(笑)そして絶対死んでなんかやるもんか、むしろ相手に今後バチが当たるのをこの目で絶対見てやる!と思ったのです。


 私が個人的に抱いている思想は、親ぐるみの付き合いがいじめを減らすのではないかということです。近所や学校の友達が気軽に遊びに来れる家にし、また、そのご両親とのお付き合いも続けていくようにしていけば自然と子供たちの間からネチネチした感情が薄れていくのではないかと思います。理想としては、近所で有名なオカアチャンになって、どこの家の子でも抱きしめてあげられるような存在になりたいです。(笑)

 私が辛かった時、支えてくれた友達は残念ながらお互いの引越しで遠くに行ってしまい、その後会うことも減りましたが、今も連絡は取り続けています。まだ恥ずかしくて真面目に言ったことは無かったですが、今回振り返る機会を持ち、改めて彼女に感謝の気持ちを打ち明けたいなと思いました。


 長くなり失礼しました。素晴らしいホームページの運営に頭が下がる思いです。どうぞこれからも子供たちの駆け込み寺的な存在として益々の発展をお祈りしております。

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