いじめと戦おう!〜対策と克服法〜
36.小5〜中学男子…クラスでのいじめ(現在、22歳)

 ご本人からのメール

〔いつごろから?〕
 小5〜中学まで

〔いじめグループは何人?〕
 3人

〔いじめグループはどんな人たち?〕
  親に従順、でいい子であろうとする人。

〔まわりの人たちのようす〕
 誰にもいじめられていた事実を打ち明けなかったため、気づいていない。

〔いじめのくわしい内容〕
 他人に暴力を振るわれたとか、ゴミ扱いされたというような劣悪ないじめにあったわけではありません。しかし、この経験は私の中で以降の対人関係の在り方を変えてしまった出来事であり、いじめられていた人と共通する点がいくつかあります。経験を共有できればいいなと思い、この度投稿させていただきました。


 小学校の高学年の頃、仲良し4人組としていつも一緒に遊んだり帰ったりしていたグループに所属していました。その中の一人の家にみんなで遊びに行った際、その子の親が私の行動が気に入らなかったようでした。その親は、私のことを他の親グループにも伝え、その親たちも子供に自分とあまり遊ばないように言いつけたようです。

 私は、表面上は仲良くやっているようでしたが、次第に自分には内緒で3人で遊んでいたり、
なんとなく距離感を感じるようになりました。


 3人の内一人が私と同じクラスで、私はいつもその彼と一緒にいました。彼は小学校5年のころにいわゆる番長キャラにずっといじめられていました。しかし、その番長キャラが転校すると態度が急変し、私に対して傲慢な態度を取り始めました。その態度は例の出来事が起こった後、なおも強くなったように思います。


 私はこういった状況を親にも相談することができませんでした。親は当時夫婦喧嘩が最高潮に達しており、家庭内に自分の居場所がありませんでした。また、親も親のことで精いっぱいで、母親が近所づきあいが苦手なほうでした。そのため、仮に母親に相談したとしても悪循環に陥ると思い、相談できませんでした。

 この頃から中学期に至っては、私は「素の自分を隠し、人を楽しませたり、嫌われないように繕う自分」を演じるように成ったと思います。この行動の背景には、人からの拒絶に対する恐怖と、人気者のいるグループに何とか所属することで自尊心を保ちたいという考えがあるように思います。


 こうなった以降、私はそれ以来心から感動したり喜んだり嬉しくなったりといった感情を味わうことができなくなりました。また、誰といても心休まることなく、どこか自分が浮いているような感覚を感じていました。対人恐怖症と言われてもおかしくない状況だったと思います。

 そのころ、何が自分の心の支えになっていたのかというと、「自分はだめな人間になんてなりたくない、だめな人間なんかじゃない」という想いです。虚勢でも自分の自尊心をとりあえず保つためにはこう思い込むことが助けなりました。そして危機感からいろいろと行動することができるようになりました。


 どなたかの投稿に、何かに打ち込み成果を出すことで自尊心が得られる、という旨の記述がありました。私の場合、中学3年時は勉強の成績がクラストップ、野球ではエースで四番で地区大会準優勝という成果を残すことで、確かに自尊心を保つためにはいくらかは助けになりました。

 しかし、そういった成果によって得られる自尊心とは「見返し」や「驕り」、「傲慢」、そして「他人への見下し」に転嫁しやすいものだと分かりました。そして、大人になっても「人より上になる」という方法で自尊心を保っていても、決して幸せにはなることはできないと思うようになりました。


 そのことに気づくまで、他人より何かで勝っていることを必死に追い求めることが正解だと思っていたのです。もし、私が「今までのそういった生き方を止め、他の生き方をしたいならどんな生き方か?」と問われたら、「自分の過去と向き合い、恐怖と対峙し、あるがままの自分で常にいられるようになりたい」と答えるかもしれません。疎外、無視といったいじめから受けたトラウマをどう乗り越えていくか、これが私にとっての一番の課題となりそうです。


 なんだか独善的な文章になってしまい、大変恐縮です。申し訳ございません。
しかし今、いじめと闘っている人たちのなんらかの助けをしたいと思っています。

このページのトップへ
1/1 > 克服体験談集(男)
克服体験談集(女)   いじめと戦おう!トップ  サイトマップ