いじめと戦おう!〜対策と克服法〜
62.中3 女子・・・部活でのいじめ(現在、23歳)

 ご本人からのメール

〔いつごろから?〕
 中3夏から約1年

〔いじめグループは何人?〕
 学年の中心人物筆頭に部活の同級生+クラスメート

〔どんな悪口を言われていましたか?〕
 一挙手一投足を笑い物にされる+徹底的に無視

〔いじめのくわしい内容〕

【中3夏】
 もともと部活が二大派閥化していました。そこへ、私が属していたグループの同級生達がみんな退部(いじめとは無関係)してしまいました。残ったグループとは、それほど仲良しにはなれませんでした。
 他の子達よりも遠い距離感がいつのまにか総シカトになりました。さらに、学年の中心人物が部活にいて、たまたまその時同じクラスだったのでクラスにも飛び火しました。そして、いじめに加担した部活の同級生のクラスに広がっていきました。


【いじめの内容】
 最初はちょっとしたドジを踏んだ時、他の子にはする「何やってんのー!!笑」というツッコミがなく、聞こえるか聞こえないかのところでヒソヒソされるだけでした。しかし、日を増すごとに何かすると遮られるように無視、または敢えて直接褒めてきたりしてきました。私が恥ずかしそうに「ありがとう」というと「ちょwww本気にしてるしwww」とまたヒソヒソ(聞こえてます)と話されませいた。さらに、通りすがりに「イニシャルKYやから空気が読めない」と聞こえよがしに言われました。中心人物も部活も取り巻きも内容的には同じでした。


【耐えるために】
 大好きな音楽を聞いて気を紛らわせていました。
 また、メールの下書きフォルダにいじめの中心人物達の悪口をありったけ書いて、「絶対負けない!」と書いて保存しておきました。それを、登校中の電車や家の中で読み返していました。


【いじめられなくなるために】
 残念な事に中高エスカレーター式でした。狭いワンフロアに学年が集まる校舎だったので、高校から一気に新生活!とはいきませんでした。
 しかし、自分に自信をつけるため、当時一番気にしていたルックスを磨こうとダイエットをしました。幸か不幸か友達もかなり減り、付き合いも少なかった為かみるみるうちに激ヤセしました。夏休み明けにはクラス中が注目する存在になっていました。クラス替えで中心人物とはクラスが離れた事もあり、周りの声は「アイツ調子乗ってるよ」ではなく「どうやったんだろー、めっちゃ綺麗になった!」に変わっていました。少なくとも高校1年の後半、クラスで私を悪く言う人も陰でコソコソ言う人もいなくなりました。


【今、何を思うか】
 今思い返すと当時は若干の被害妄想が入っていた時もありました。この空間の全員が私を馬鹿にして笑ってる、みたいな。でも何も考えなくていいはずの思春期、青春時代にそんな事を考える原因を作るのって凄く罪なことです。「いじめる側にも言い分が…」なんてありません。言いたい事があれば直談判するべきだし。


【高校】
 中学の卒業式、私は出ていません。中3当時のいじめメンバーが多かった高3卒業式の打ち上げも行きませんでした(高3当時いじめはありませんでした)。高校に入ってから、自分から話し掛けて友達と打ち解けようとする行為を止めました。どの人にどれだけ当時のいじめっ子達の息が掛かっているかわからなかったからです。今ならなんともったいない、馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばせます。でも、いじめがなくなっても一度おかしくなった私の精神状態は、しばらくおかしいままだったのだろうと思います。


【大学】
 大学に入って新しい友達ができました。彼氏もできました。でも、私は友達も彼氏もずっと信用する事ができませんでした。いつか裏切られていじめが起こった時、傷つかない為に上っ面だけを取り繕った付き合いをしていました。しかし、そんな私の為に友達は心から私を叱り飛ばし、泣いてくれました。彼氏も根気よく我慢強く向き合ってくれ、両者とも私の心からの宝物になっています。


【メッセージ】
 今いじめられている人達も、おそらく今は世界中のみんなが自分を敵視している、と感じていると思います。確かに今はそうかもしれません。そんな敵しかいない世界なら逃げてもいいと思います。学校ならバイトや習い事、地元なら思い切って独立してしまうのもアリです。とにかく生きているこの世界で、自分の居心地のいい場所を探してください。思わぬ所に自分の居場所があります。

 そして自信をつける事も大切。よく「本当に美人は他人のルックスに粗探しなどしない。するのは中途半端な雰囲気美人」という話を聞きます。いじめをする人種もこの「中途半端ななんちゃって人気者」なのです。本当に人望があれば、人の悪口なんかで話題をつなぐ必要ありません。だから、いじめっ子に対しては「哀れに」見てあげてください。余計な感情は不要です。脳みそのエネルギーがもったいないので、自分の為に使いましょ。

 そして少し気が楽になったら誓ってください。「いじめを傍観する立場にもならない」と。正直コイツらが一番タチ悪いです。首謀者と一緒にターゲットを変え、終わった古いターゲットにはずっと前から友達だったような優しいそぶり…要するに「ええかっこしぃ」です。
 そんな奴らの「私、無関係~」オーラがいじめのターゲットの居場所をじわじわ無意識のうちに奪っていきます。そんな奴らと共に闘う戦友になってください。いじめられている人達は他人の痛みがわかります。その優しさを大切にしてほしいと思います。




いくつか質問させていただきました。ありがとうございました。


Q1.中学のときは、何部だったんでしょうか?

 体操部です。器械体操と新体操の二種目に分かれ、私は新体操でした。


Q2.なぜ、あなたのグループの人たちは退部してしまったんでしょうか。

 身体の故障、スケジュールの都合上、人間関係など様々だったので、一概にみんないじめられた、という訳ではありませんでした。


Q3.なぜ、あなたは残ろうと思ったんでしょうか。

 新体操が本当に好きだったから。入学当時は学年で一番下手だったんです。それが徐々に伸びて、表彰台も射程圏内に入ってました。競技そのものが面白くなって来ていました。


Q4.あなたのいたグループ、もう片方のグループ、それぞれの特徴など教えてください。

 私のいたグループはお気楽な平和主義者集団でした。もう片方は、スポーツ、勉強、プライベートなんでも「勝ち」にこだわるタイプでした。また後者は皆某アイドルの大ファンでそれが仲良くなったきっかけのようです。


Q5.あなたのいたグループが抜けてから、部は弱体化しましたか。

 弱体化しましたが私たちが抜けたから…ではなく、競合チームがなくなり、競技自体衰えた感じです。


Q6.部活の顧問の先生には相談しようと思いませんでしたか。

 顧問の先生のお気に入りがいじめた側にいたので、言いませんでした。


Q7.部活の顧問の先生の、年齢・性別・担当教科を教えてください。

 年齢は当時30代前半、女性の体育教師でした。 


Q8.部活の顧問の先生は、部活の指導に熱心でしたか。

 元々器械体操の経験者だったので、そちらの指導には熱心でした。新体操に関しては、先輩方に任せてる感じでした。


Q9.部活の顧問の先生は、生徒に慕われていましたか。

 「ひいきがヒドい」とは常に言われてました。私もそう思っていました。


Q10.部活で総シカトされたとき、辞めようとは思いませんでしたか。

 同じ団体メンバーだったので、部活仲間として割り切って付き合おうとしていました。でも、冬くらいには限界がきて辞めました


Q11.退部していった、あなたのいたグループの人たちには相談しましたか。

 そこまで具体的な相談はあまりしませんでした。入学当初からクラスも同じだったAちゃん(私の1年前に私と似た理由で退部)には相談していました。Aちゃんには、彼女がその後入ったクラブに入ろう、と誘われていました。


Q12.自分のクラスや、他のクラスに飛び火していったとき、あなたのグループの人たちは、励ましてくれましたか。

 励ましてくれました。というより、普通に今までと同じく付き合ってくれました。でも、Aちゃん以外は「実はいじめ側に寝返ってたりして…」という疑惑を持ってしまって、あまり私からはべったりしなくなりました。今思うとタダの取り越し苦労でしたが。


Q13.いじめの中心人物は、クラスの中で、どんな悪口を流していましたか。

 私は昔からギャル系、お姉さん系の服が好きでした(いじめグループ、中心人物達はzipper系)。それで、「援交歓迎」や「ゴリエ」「鏡見ろ」などと言われました。


Q14.中心となったいじめっ子は、部活でうまいほうでしたか。 

 いちばんの中心人物は上手い部類ではありませんでした。No.2的な位置の子は小さな時からの経験者で、一番上手い子でした。


Q15.あなたは、うまいほうでしたか。

 入部当初ははっきりいって一番下手でした。しかし、体づくり、基礎レッスンをガッツリ重ねたかいあり、いじめの頃は結構な実力はありました。


Q16.部活の後輩たちは、どういう態度でしたか。

 後輩の中でも派閥、仲間外れ、いじめのようなものがありました。そのため、他の学年まで関心はなかった感じでした。


Q17.ちょっとドジを踏んで、ヒソヒソ言われた時、どのように対応しましたか。

 気づかないフリをするので精一杯でした。


Q18.ヒソヒソ言われたとき、どのように考えて、自分の気持ちを処理していましたか。

 「気にしない、気づかない、傷つかない」と自分に言い聞かせてました。もちろん、実際はメチャクチャ気にしてました。


Q19.無視されていたときは、どのように考えていましたか。

 いつかなくなるのかなー、いやなくならないだろうなー。コレが「いじめ」ってヤツなんだろなー、等。


Q20.どういう風に、敢えて直接褒めてきたんでしょうか。

 部活でレオタードを着ているときは「スタイルいいねー、レオタード似合う」と言われました。別に肥満体ではありませんでしたが、私の体型は決してレオタードが似合うものではありません。嫌味です。


Q21.相手が「ちょwww本気にしてるしwww」と言ったとき、どう考えましたか。

 え、最初から貶すつもりだったの?私アホやん、と。


Q22.その後、また褒めてきたとき、どのように対応しましたか。

 もう言いませんでした。苦笑いしたり、「あーはいはい」とかわしてました。


Q23.空気が読めないと言われたとき、なんと考えましたか。

 もしかしたら本当に私が悪いからいじめがはじまったのかな、と思うようになりました。


Q24.大好きな音楽を聴いたということですが、どんな曲がお勧めですか。

 浜崎あゆみさんの「A song forxx」という曲の「人を信じる事っていつか裏切られ…」のフレーズでずっと泣いていました。スターたちもネガティブな事考えるんだな、と少しだけ気は楽になりました。それにも疲れた時は、歌詞のわからない洋楽ポップスやジャズを聞いてました。


Q25.いじめの中心人物たちの悪口をありったけ書いた下書き保存を読み返してるとき、どのような気持ちになりましたか。

 絶対こいつらをギャフンと言わせてやる、と思いました。


Q26.携帯はパスワード設定していましたか。 

 設定してます。


Q27.学校の休み時間は、何をしていましたか。

 ひたすら寝てるフリでした。たまに違うクラスの友達の所に逃げてました。でも、その子のクラスでも何か言われるとマズいと思って、あまりできませんでした。「友達がいない」と周りに気づかれるのを一番恐れていました。


Q28.部活は、最後まで休まず行きましたか。

 辞める前日までは普通に練習に参加してました。中3の冬に耐えられなくなって辞めました。


Q29.容姿に自信がついて、自分の振る舞いや性格も変わりましたか。

 それほど変わってません。性格が変わるのも、もっと後になってからです。


Q30.高校に入ってから、友だちは増えましたか。

 それほど増えてませんが、普通に教室にいけば「おはよう」と言い合えるようにはなりました。一緒に休み時間を過ごす仲間はできました。クラス替えのメンバーが良かった為だと思います。中学からみなエスカレーターでしたが、私のクラスには高校受験で加わった子が数人いました。


Q31.ダイエットのコツを教えてください。

 ご飯は炭水化物控えめ。腹筋、背筋、腕立て、足上げなど1日3時間。22時就寝、4時半に起きて軽く走る。ただ、拘束時間がやたら長いし友達付き合いがあれば不可能だと思うのでオススメできません。


Q32.もし、容姿に自信がなくていじめられている子がいたら、ダイエットを勧めますか。

 もし体型に自分がコンプレックスがあり、成長期を過ぎてるならいじめのあるなしに関わらず勧めます。いじめ→自信喪失の順なら特に勧めません。


Q33.ダイエット以外に何かしていたことはありますか。

 見た目は特にありません。ただ、に興味を持ってずっとカラオケにこもってました。


Q34.もし、今のあなたが当時の辛い時の自分と心が入れ替わったら、どのように行動しますか。

 精神年齢が遥かに大人になったこともあり、当時のいじめっ子達に負ける気も今はしないので、勝手にいじめさせておきます。


Q35.もし、一番苦しんでいる時の自分が目の前にいたら、何と言って励ましますか。

 具体的に励ますよりも、常に一緒にいる仲間でありたいです。


Q36.嫌な人がいて、何か言いたいことがあったら、陰口を言わず、直接言いますか。

 もめ事が嫌いなのは変わらないので直接は言わず、やはり愚痴になります。ただし相手とも共通点のあるコミュニティー内ではなく、全く無関係の所で吐き出します。


Q37.高校に入ってから疑心暗鬼になっていたそうですが、もし、今のあなたがと当時のあなたの心が入れ替わったら、自らクラスメイトに話しかけますか。

 今の私なら話しかけます。前に私の悪口を言ってた人でも、実際付き合うと思ったよりいい人だった、そういうことが大学時代にたくさんあったので。


Q38.精神状態がしばらくおかしいままだった、とのことですが、それは高校3年間ずっとでしょうか。

 はい。いちいちクラスメートの前のクラスや部活などの交友関係を気にしながら接していました。


Q39.高校では部活には入りましたか。

 Aちゃんの勧めで演劇部に入りました。私の学年の部員は数が少なかった為か、学年対学年のいざこざはあっても同級生内は平和でした。


Q40.高校では、どんなことに打ち込みましたか。

 ひたすら、歌って、走って、筋トレしてました。あまり明るくありませんでした。


Q41.高校生活で、楽しかった思い出を教えてください。

 部活の合宿です。中学と違って体育系ではなかったので夜通ししゃべっても明日に響くこともありませんでした。部活自体とても好きだったので。


Q42.叱り飛ばし、泣いてくれた友だちは、どういう状況だったんでしょうか。

 大学でサークルに入りました。深い友達付き合いを恐れていた当時の私は、学生でよくある「今から◯◯の家行こー!」という誘いをいつも断ってきました。ある日、見かねた友達が「(私)はいつも何して過ごしてるの?」と聞きました。一人で過ごす、と答えるのも嫌だったのでのらりくらり適当な事を話してると語気を強め「もしかして私らには言えないような事してるん?」と迫ってきました。

 何度かやりとりが続いたあと、本当の事、過去のいじめの事等話しました。すると「私はずっとあんたの事友達やと思ってんのに、あんたはずっと友達面してるんやん。あん時のいじめっ子と同じ事してるで!」と言われ、目が覚めました。ちなみに追求してきた友人は私が危ないバイトでもしているのでは?!と思い追求してきたそうです。


Q43.その友だちは、どんな性格の方ですか。また、現在はどんなことをされていますか。

 まさに竹を割ったような性格で、ズバズバきつい事も言います。だけど、話が終わればその相手とも飲みに行ける、そんな性格です。今は大学院生です。


Q44.彼氏は、大学何年生でできたんでしょうか。

 入学してすぐの頃です。


Q45.信用することが難しい状況で、彼氏とつき合おうと思ったのは、なぜでしょう。

 彼は、出会った時から明るい積極的な人間でした。そんな彼からのアプローチを嫌いオーラ全開で交わしていた私を見て、サークルの友人達が「ちょっと可哀相」「本気だよ、あいつ」と言い始めました。なんとなく罪悪感から仲良くし始めた延長でスタートしました。


Q46.もし、いじめが原因で人間不信になり、男性とお付き合いするのに気が引けてしまう方がいたら、何と言ってアドバイスしますか。

 自分がその気になるまでは付き合わなくていいと言います。ただ、付き合わなくても相手の気持ちを嬉しいと思ってほしいです。そして、その気になるまで長い間待っててくれた相手と付き合うなら、とびっきり大切にしてあげてほしいです。


Q47.何かバイトや習い事をされていたことはありますか。

 いじめの真っ只中では、親が許さなかったので何もしていませんでした。
 大学に入ってからはボイストレーニングのレッスン、アルバイトは百貨店で販売をしていました。


Q48.今のあなたの居心地のいい場所は、どこでしょう。

 気を使う必要のないサークル仲間といる空間、彼氏の前、そしてやはり一人でボーっとする瞬間どこでもです。


Q49.もし、バイト先や友だちと話しているときなど、友だちが悪口を話題にしてきたら、あなたはどう対応しますか。

 私の前で陰口悪口をいうのはだいたい女性(私が女社会でばかり育ったせいもある)です。「女ってコワー」で次の話題を振ります。私が指す「女」は、悪口言う人言われてる人両方です。


Q50.本当に人望がある人は、悪口の話題なんて必要ないと思えるようになったのは、いつ頃でしょうか。

 20歳くらいの頃です。その頃幸運にも容姿、頭脳、仕事などのスペックどこも文句の付けようがない人に出会う機会がありました。交流を深めるうちに「あぁ、この人には負の感情がないんだな!」と気づいた時に、いじめの事を思い返し、出た結論です。


Q51.他人の痛みが分かるようになって、何か変わったことはありますか。

 シチュエーションに関わらず、憐れみの情が強くなりました。映画などで悪役が没落したあと、その姿を見ると「この人は救われるのか、立ち直れるのか」という気持ちがよぎるようになりました。


Q52.死なないで、生きていてよかった!と思える瞬間は、どんなときでしょうか。

 今の全てです。


Q53.大学卒業後、現在は、どんなことをされているんでしょうか。

 「接客業の王様」と呼ばれる業界で幸せなカップルのお手伝いをしています。人と関わる事に怯えていた私が、こんなに密度の濃い接客業につくとは…と今でも驚いてます。


Q54.今、何か夢や目指していることはありますか。

 趣味でもずっと音楽には携わっていたいです。あの頃の自分のように絶望的な気持ちの人でも悲しい時間を忘れられる心地よいやメッセージを発信していきたいです。またもう少し先にはなりそうですが新体操を再挑戦したいです。


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