いじめと戦おう!〜対策と克服法〜
>先生のみなさまへ
先生のみなさまへ

※このHPにおけるいじめのメカニズムは典型的な例であり、全てではありません。いじめる側がグループではなく一人というケースもありますが、ぜひ参考にしてみてください。


1.いじめる側の視点で見てみる
2.先生にしていただきたいこと
 (1)先生がいじめを発見したとき
 (2)強く注意するのが効果的な場合
 (3)いじめのギャラリーが弱点


1.いじめる側の視点で見てみる

 いじめは、いじめっ子が100%悪いです。なぜなら、もしいじめっ子がいなければ、いじめは起きないからです。しかしだからこそ、「いじめをする側」がどういう気持ちでしているかを知ることが必要です。すると、いじめる側が「されたら困ること」が見えてきます。それをすると少ない力で効果的に止めることができます。

 いじめグループの中でも中心的なのはリーダーの子です。リーダーの子には仲のいい友だちも多く、「クラス全体の人気者」であることもよくあります。しかし本来は、いじめを楽しむような性格の悪い人は嫌われるはずですよね。ところが、現実には好かれています。実は、前もって準備をしておくと、いじめをしながらも人気者でいられるのです。いじめをしても嫌われず、さらに好かれていきます。

 ではどんな準備をしているのでしょうか。いじめっ子はまず、ターゲットの悪口を言いふらします。「あいつは、うざい・キモイ・汚い」などと言って、イメージを下げていきます。そして、まわりの人が「確かにそのとおり」と思うようになると、誰にもいじめを止められなくなります。

 私はこれを「イメージのゴキブリ化」と呼んでいます。たとえば突然、ゴキブリが出てきたとします。キャー!と大騒ぎしている中、誰かが踏んづけてやっつけました。この時「ひどい…」とか「(ゴキブリが)かわいそう…」と言う人はいるでしょうか。いませんね。なぜなら、ゴキブリは「汚くて、キモくて、うざいから」です。責められるどころか、むしろ感謝されます。

 そんなにかんたんに、まわりの人を納得させられるだろうか・・・と思われるかもしれません。しかし、ここがポイントなのですが、リーダーの子は「いじめをしよう」と思って言い始めるわけではないのです。心からうざい・キモイ・汚いと思って言っているので、相手にはもっともらしく聞こえてしまいます。そして広まってくると「みんなも言ってるし、本当にそうなのかも」とますます信じやすくなります。

 こうして悪口を流し、「イメージのゴキブリ化」ができると、安全にいじめをできる状態になります。



2.先生にしていただきたいこと

(1)先生がいじめを発見したとき
 ほとんどの「いじめ」は、実はすでに担任の先生は気づいていることが多いそうです。教師になり「先生って、こんなにクラスのことが見えていたんだ!」と驚く方もいます。しかし、気づいていても忙しくて何もしてあげられない…というのが現実だそうです。
 そこで、ぜひしていただきたいことがあります。いじめに気づいたら、いじめられている子に何かちょっとしたことを手伝ってもらってください。プリントのホチキス止めでも、資料を運ぶでも、なんでも構いません。そして、「ありがとう。助かったよ」と声をかけてあげてください。こうしたかんたんなお願いを、何かとしてみてください。
 すると、いじめられている子は「先生は私のことを気にかけてくれている。一人ぼっちじゃない!」と安心します。それだけでも生きる自信になり、自殺防止につながります。さらに、「人の役に立てた」という感覚がその子の雰囲気を変えていきます。知人によると「先生のお手伝いをすると、いじめられにくい雰囲気になる」そうです。
 これはぜひやってみてください。



(2)強く注意するのが効果的な場合
 いじめグループには自分たちなりにいじめる理由があり、正しいと思っています。しかし、これらの場合は注意されても言い返せません。

 @男子が女子をいじめている場合
 A病気が理由でいじめている場合(アトピーなど)
 B生まれつきのことでいじめている場合(障害や、外国人とのハーフなど)


 これらのときは、強く注意するのが効果的です。たとえば、@の男子が女子をいじめているときは「男が女をいじめるなんてなさけない!」と注意できます。A・Bも同様で「努力でどうしようもない理由でいじめるなんて、最低だ!」と注意できます。これらは反論が難しく、解決する可能性が高くなります。



(3)弱点はいじめのギャラリー

 いじめグループの弱点は、実はリーダー以外の子たちです。リーダーはこの子たちを楽しませるために、一生懸命面白おかしくいじめをします。

 そこで、この子たちが笑わないようにします。もし、いじめをしたのに誰も笑ってくれなかったら・・・「リーダーは、どんなにしたくてもいじめをできなくなります」

 リーダー以外の子たちだけ呼び出し、「いじめが面白くても、絶対に笑わないように」と注意します。リーダーは呼ばず、放っておきます。いじめグループ全員を注意すると、「怒られた」恨みで団結してしまいますが、他の子だけ注意することで「リーダーのせいで怒られた」とグループに溝を作ることができます。雰囲気がぎくしゃくし、非常にやりづらくなります。



このページのトップへ
1/1 > いじめと戦おう!トップ
サイトマップ