いじめと戦おう!〜対策と克服法〜
> > 戦略的撤退
戦略的撤退(せんりゃくてきてったい)

 戦略的撤退とは、「長い目でみて、勝つために、いったん逃げること」です。

 とくに暴力系のいじめのときは、いじめっ子たちの目の前に行かないことが、大切です。なぐったり、けられたり、コンパスでちくちく刺されたり・・・。やっているほうに深い傷をおわせるつもりがなくても、当たりどころが悪いと、たいへんなことになります。また、(へーこれぐらいなら、だいじょうぶなんだ)・(あ、あそこまでやってもいいんだ)などと思われて、どんどんひどくなってしまうかもしれません。

 体に何か直接される”いじめ”のときは、対策も記録もするよゆうはありません。すぐに1〜2ヶ月、学校を休んでください。1日〜1週間くらいでは、少し足りないと思います。ただ休む、それだけなのに、なんで戦略的なのかを説明していきます。たばこの禁煙に、ちょっとにています。


 感じる時間の長さ
 ”おもちゃ”を取りあげる
 休みはじめたあと・・・
 それでもとりあえず楽しくすごす
 学校にもどる
 ちょっとくらい休んだって、なんてことない



感じる時間の長さ

 自分が小学校の低学年だったころや、ようちえんにいたころを思い出してみてください。一週間がとても長いと思いませんでしたか。日曜日の夜、「あー次の休みまで、あと一週間もあるのか・・・」と、ものすごく先のことみたいに思ってうんざりしませんでしたか。

 それにくらべると、まだ今のほうが早いような気がしますよね。実は、年をとるごとに、感じる時間の長さは、短くなっていきます。

 お父さんやお母さんに「ねえ、一週間って、あっという間?」と聞いてみてください。きっと、「あー、あっという間だなあ。それどころか、お前が生まれたのだって、つい昨日のことのような気がするよ」などと、教えてくれると思います。

 あなたや、いじめっ子たちは、まだ子どもです。人生全体からすると、まだまだ、時間が長ーく感じられるころです。だから、たいくつには、大人よりたえられません。




”おもちゃ”を取りあげる

 あなたは、いじめっ子たちにとって、おしゃべりの話題や、笑いのネタをあげる、べんりな”おもちゃ”にされてしまっています。

 「(あー面白い話しないなあ)とりあえず、あいつの悪口を言っとくか」
 「(あー面白いことないなあ)とりあえず、あいつに消しゴムぶつけてみるか」
 みたいな感じです。

 いじめがひどくなればなるほど、いじめは、いじめっ子たちの「面白いこと」の大きな部分をしめるようになっていきます。

 しかし、もしあなたが学校にいなければ、そうはいきません。
 ”いない人”の悪口は、そう長くできません。
 ”いない人”を、いじめることはできません。

 いじめがつらいから休むというより、かれらからおもちゃを取りあげるつもりで、1〜2ヶ月以上休みましょう。


おもちゃを取り上げる






休みはじめたあと・・・

 あなたがクラスからいなくなったあと、いじめっ子たちはどうするでしょうか。

 あなたがいたころは、とくべつ面白いことがなくても、”とりあえず悪口”や”とりあえずいじめ”によって、楽しくすごすことができました。でも、いないので、ちょっと手もちぶさたです。

 始めのうち、あなたを心配したようなメールを、送ってくるかもしれません。「どうしたの?」などです。しかし、それは心配しているというよりも、教室でおしゃべりする話題がほしくて、そうしている可能性があります。

 かれらは、まだ「とりあえず、あいつの話し(悪口)をしておけばいいや」の味を覚えています。だから、どうしてもおしゃべりのテーマが、あなたのことになりがちです。

 もし、そんなメールがきたら、「心配してくれてありがとう。まだちょっと具合が悪くて・・・。ごめんね」などと、返信しておきましょう。


休みはじめたあと…






それでもとりあえず楽しくすごす

 それでも、休み時間はやってきます。あなたからの返信メールも、面白くありません。あなたについてのニュースは、無くなってしまいました。

 ”いない人”の悪口は、すぐつまらなくなります。悪口は、”しょっちゅう顔を合わせる人”のだからこそ、面白いのです。だから、はなれたクラスの人や、ちがう学年の人の悪口は、あまり言われません。売れっこタレントのスクープや悪口は「おーっ!」となりますが、あまりテレビに出てこない人のは「へー・・・」で終わりますよね。

 しかし、たいくつなのには、とてもがまんできない年ごろなので、何かほかの楽しいことをしてすごそうとします。そして、なんやかんやで、ワイワイとやっていきます。子どもは、すぐにちがう環境に慣れます。

 しばらくすると、いじめの楽しさを忘れて、ほかのことで間に合わせられるようになっていきます。


それでもとりあえず楽しくすごす






学校にもどる

 1〜2ヶ月以上たってから、あなたがもどっても、すぐにいじめをできません。

 みんな、悪口を言えなかったので、あなたをいじめるための理由を、忘れてきています。ですから、あなたをまたいじめて楽しむには、また悪口をイチから広めなくてはなりません。しかし、悪口を言ってみても、「ふーん・・・(またそんな古いネタ?)」というかんじで、なんとなくもり上がりません。

 みんな、いじめ以外のことで休み時間をすごすことに、慣れてきました。だから、あなたをいじめようとしても、「もうその遊びは古いよ。まだやりたいの?」という雰囲気がただよいます。

 それでもまだ、いじめ(とくに暴力系)があるなら、また休みましょう。


学校にもどる






ちょっとくらい休んだって、なんてことない

 休んでるうちに、国語・算数・理科・社会などの授業が、びっくりするぐらい進んでいるでしょう。「だいじょうぶかな?」と不安になるかもしれません。

 しかし、いじめられる経験にくらべれば、そんなものは大したことはありません。いじめられてもたえて、生きのびるということは、本当にすごいことなのです。

 「いじめられて、休んで、また学校にもどる」勇気は、とてつもないものです。自信をもちましょう。



このページのトップへ
1/1 > いじめ対策
いじめと戦おう!トップ   サイトマップ