いじめと戦おう!〜対策と克服法〜
114。中1男子・・・学校でのいじめ(現在、51歳)

 ご本人からのメール

〔いつごろ?〕
 中1

〔いじめグループは何人?〕
 3人
  ・Aくん 活発なお調子者
  ・Bくん 取り巻き
  ・Cくん 取り巻き

〔いじめのくわしい内容〕
【いじめ全体といじめ自殺について】
 いじめを原因とする自殺は実際に発生しており、避けるべき究極の事態です。一方で、そこまでハードではなくてもこどもを苦しめている「一般の」いじめははるかに多い数でしょう。私の経験したいじめはハードではないものの、39年経っても覚えているくらいには嫌な思い出です。この体験記はハードなもの(集団リンチ状態のようなもの)ではないため、そういった目で参考にしてください。


【いじめが起こるまでとその内容】
 市立小学校から市立中学校に上がる段階で別の市に引っ越ししました。その中学校は7:3の比率で近くの2つの小学校が合流しており、入学時私には知り合いが全くいない状態でした。実質は転校と同じなのですが、個々の生徒からみると、転校生とも思われにくい状況でした(もう1個の小学校出身と思われがち)。4月の段階でクラスの中で背が大きいA君が、望んでもないのにちょっかいを出すようになり、だんだんと小突いたり、悪口を言うようになってきました。取り巻きとしてはB君とC君がいましたが、それぞれはあくまで取り巻きでありさほどの悪意は感じませんでした。A君は近くの硬式野球クラブチームに属しており、活発なお調子者のように担任の先生には映っていた印象です。私は公立中学の生徒としては特別に勉強ができましたが、本HPでのいわゆる「影の実力者(D君)」は1年生のうちは成績が良好で、勉強ができることに対して悪い印象を受けていないようでした。ただ、A君やそれに近い人たちには逆に作用していたように見えます。

 当時の私は精神的には幼く、同学年の活発な女子生徒とは3歳くらいの差があったように思います。印象的なのは入学してすぐに、近くの席の女子に「ねー、ねー、○○ちゃんかわいくない?」といわれ、「かわいい?なにそれ?」と感じ、本気で「この子はなにを言っているんだろう」、と思った記憶があります。

 いじめの範囲は小さく、主犯格のA君と取り巻きのB君、C君以外にはこれといった直接的な加害者はいませんでしたが、小学校時代の友人が全くいないため、クラスでは孤立した感じでした。いじめの範囲が延焼しづらかったのは「影の実力者(D君)」の雰囲気がいい方向に作用していたと思います。

 今でも覚えている光景があります。毎日のようにいじめられていたため、下校中にものすごく暗い顔をしていたことがあります。そのときに、普段はそんなに接することのないE君が、他愛もない話をしながら川沿いの道を一緒に帰ってくれたことです(自分の右にいたことすら覚えています)。E君はおそらく私のいじめに気が付いていましたが、全くそれに触れることなく、やや自虐的なバカ話をしながらただ一緒に歩いてくれました。今でもそのことを思い出すと、その思いやりに感服します。そこで露骨に励ましてしまったら、E君が優位にたってしまう(私を下に見ている)ことをわかっていたはずです。それは当時の私にさらなる苦しさとなっていたでしょう。ひょっとしたらE君は小学校時代等でいじめられた経験があってそのような素晴らしい対応をしてくれたのかな、とも思います。

 ただ、家に到着して玄関の扉を閉じた瞬間に玄関で迎えてくれた母親の前で大泣きしたことを覚えています。母はなにも聞かずにやさしく対応してくれました。ただ、後年に確認したときに私がいじめを受けたことは知らなかったようです。


【耐えるために、気をそらしたこと】
 小学校5年からやや本格的に卓球をしていたため、中学に入っても卓球部に入りました。そのため、部の中では1年時ですでに最も強かったと思います。クラスにいるのは苦痛(授業中は先生の目があるので問題なし)だったため、部活動には力を入れていました。部活動を言い訳にして勉強をほどんどしなくなり、2年生から3年生の夏までは結構、学校の成績が落ちていました。3年生の8月に部活動が終わってからは受験勉強を開始しましたが、家庭内に塾に行くという発想があまりなく、独学でやっていました。


【いじめられなくなるために、何をしたか】
 幼いながらも考えたのは自分には武力的な力が必要だろうと考えました。空手を新たに習うことがすぐに頭に浮かびましたが、時間がかかるし現実的ではないと考えました。ただ、鉄アレイ3kgを2個購入して筋トレを開始しました。しかし、いじめに対する実質的な効果はありませんでした。教室以外で攻撃されることはほとんどなかったため、とにかく朝ギリギリに教室に入ること、休み時間は遠くにあるトイレにわざわざ行って物理的な距離をとることにしました。はっきりと覚えているのは1年生の夏休みが終わる8月下旬が非常に憂鬱でした。反撃もしないまま、物理的な距離をとることにより徐々に攻撃の頻度は低下しました。


【自分以外に対するいじめ】
 主犯格のA君は根っからのいじめ体質であり、そのうち取り巻きであったB君に対して私と同様な攻撃をするようになっていました。それ以外にも学級委員をするタイプのF君も同様な攻撃を受けるようになっていました。B君もF君も笑って対処していましたが、私からすると「おれはいじめられるような情けない奴じゃないんだー!(実際は思いっきりいじめなんだけど)」という周囲に対する必死のアピールであることが痛いほど伝わりました。

 さらに、不運なことにGさんというからだの大きいおとなしくて優しいタイプの女子生徒が学級会の時に鼻が詰まっていたところに軽いくしゃみをしてきれいな鼻ちょうちんがでてしまいました。A君は目ざとくそれをみつけて思いっきりバカにして、さらに「お蝶夫人」という当時の人気テニス漫画「エースをねらえ!」にでてくるキャラクター(竜崎麗香という名前の高校生のはずなのに、なぜか夫人と呼ばれ、超豪邸に住んでいるテニス部のエース)の名前をあだ名にしてさらに追い打ちをかけていました。女子でしたし、その悪意があふれかえっているあだ名は相当きつかったでしょう。結果的にいじめ被害者をころころ変えつつ自分への攻撃の頻度がさがることになり、三学期には「あと、もう少し耐えれば」という気分になっていました。


【2年時と3年時】
 2年生と3年生は同じ学級編成でしたが、幸いにもA君とはクラスが別になったことが助かりました。ただ、9クラスもある中学校だったので、クラスが別になる可能性が高かったのは幸いです。2年生のクラスには「影の実力者(H君)」と典型的なお調子者(I君)がいました。H君は影の実力者というより、さらに上位互換バージョンの真の実力者だったかもしれません(中学生なのに大人のような倫理観を持っている)。I君は一歩間違えるといじめ側にまわる可能性が極めて高いキャラクターでしたが、H君には頭が挙がらないのと、H君が勉強ができることに対してリスペクトを持つタイプだったのでむしろ私はH君と距離感が近い感じで平穏に暮らすことができました。H君がいなかったらI君からなんらかの攻撃を受ける可能性があったのでは、とその当時から考えていました。

 H君の存在により、男子の中ではいじめが起きにくい状況ではありましたが、高度のアトピー性皮膚炎(顔に粉が吹いてしまうくらい)がある男子J君と場面緘黙症の男子K君(学校では全くしゃべらない)とものすごく幼い顔立ち(とにかくかわいい)で背の低いL君は少し危うい感じでした。私は中学1年までおしりにかなり強い症状がでるアトピー性皮膚炎でした。J君が聞いてもいないのに「これはうつらないよ」と言ってきたので、自分ももともとアトピー性皮膚炎だから知っているよ、かゆいよねーー、と返事をしたときはホッとしてくれたように覚えています。しかし、彼らはいずれも20歳ころの同窓会に来ていたので強い被害者感情はなかったような気がします。直接関係ないですが、その当時の背の順の前から3人(2年生の初めでだいたい150pくらい)は私とK君、L君だったのですが、同窓会では全員178p以上になっていたのは面白かったです(遅い成長期、恐るべし)。一方で、女子では背が小さくて家庭環境が複雑なMさん(バスケ部、継母からおそらく虐待をうけていたよう、弁当ももたされず、やや不潔な服装)がいて、Mさんは主に二人の女子生徒(Nさん、Oさん、バスケ部)から頻繁にいじめを受けていたと思います。

・中学卒業後5年程度経って当時の担任に連絡
 中学時代のいじめで感じた当時の感覚と世間でいわれているいじめの認識・対策に強いずれを感じており、20歳のころに中学1年時の担任の先生とに電話をしたことがあります。中学1年の担任の先生は私を含めた4件のいじめについては全く把握していませんでした。また、中学2・3年生の担任の先生は女子のいじめについてははっきりといじめとは認識しておらず、いじめのことはよくわからないと正直な感想を言っていました。
 私の感覚では、いずれの先生も、先生としての情熱や学科の知識の観点からみて上位25%には入っているような全く問題のない先生でした。ですので、当時のこととはいえ、とんでもないところまで進行しているいじめ以外のものを「外」の立場である先生が察知するのは難しいことが確認できました。中学生目線で考えたら、いじめを先生が見つけられるはずもなく(だって、意図的に見つからないようにするものだから)、私自身は先生には恨みなどは全くありません。
 当時考えたことは、監視カメラを設置したらだいぶいじめ発生件数を減らせるような気がしました(監視カメラの撮影範囲にさりげなく、はいるようにすればある程度のものは防げそうです)。もしいじめが先生にばれていたら何をしてほしかったかというと、さりげなく、単に教室にいてほしかったです(休み時間に)。そうすれば、監視カメラのような作用が働いていじめられずにすむと思ったからです。少なくとも私が受けていたレベルのいじめ(リンチ状態ではない)を前提とすると、学級会などを勝手に開かれたら恐怖でしかありません。当HPの管理者であるさねゆきさんが書いているように、相手をぎゃふんといわせる必要は全くなく、なんとなく収まることが理想です(フェードアウト)。これにより被害者側のプライドを保てるのです。思慮なく集会等が開かれてしまうと、いじめを知らなかった生徒にまでいじめの事実を知られてしまい、こどもワールドでの「地位」は急降下してしまい、なけなしのプライドがさらに痛めつけられてしまいます。


<質疑応答に対する予想の返答>

Q1.中学校の担任はどんな先生でしたか?

 1年生の時の担任は国語担当で、化粧が濃いことを一つの個性にしている正義感の強い女の先生でした。2・3年生の担任の先生は社会担当で、先生による校内暴力が吹き荒れていた学校内でも常識的な対応ができるサッカー部の男性顧問でした。本文でも述べているように、二人ともむしろしっかりした先生であり、生徒からもなめられるような先生ではありませんでした。


Q2.中学卒業後の進路はどうでしたか?

 中学卒業後は県内で一番といわれている高校に進学しました。高校ではスーパーマンみないな人(勉強もスポーツも相当なレベルにあり、倫理観も高い生徒)が複数おり、いじめ発生の要素が相当に少ない環境でした。あらゆるタイプ(家庭環境等、勉強への意識など)が存在する公立中学校の時とは大きく状況が異なっていることを実感しました。それでも、受験勉強をこじらせてしまった生徒が、自分より成績が芳しくない生徒に対して攻撃をしていることはあり、いじめはいかなるところでも発生していることを痛感します。
 高校卒業後は東京大学に入り、希望だった理学部化学科にすすみ修士課程(計6年)を修了しました。その後、関西にある繊維化学系の会社に就職しましたが、思うところがあり、就職2年目に大阪大学医学部医学科の3年次編入試験を受け合格し、4年後には整形外科医師として働き始め、現在でもせぼね専門の整形外科医として働いています。


Q3.今となってはどう思いますか?

 現在の職場(病院の医師)ではどストレートのエリートが沢山おり、その人達はいじめ問題などにはあまり関心がないようです。その中では、いじめを受けた経験がある私はこころに闇を抱えている患者さんには優しく対応できる長所があるかと思います。

 勉強やスポーツに対する姿勢に「今に見返してやる!」といったものは当時を思い出してもありませんが、いずれにせよ現在は大変やりがいのあることを仕事にしています。結果的に進路についてはいじめの影響はありませんでしたが、いじめをもっとこじらせていたり、2年時にH君がいなくて、いじめ発生要因が高い状況であったならば、2年生以降もいじめを受けて進路等は望まない方向に行っていた可能性があります。個人の性格や状況によっては、「今に見返してやる!」という考え方は有効だろうと思っています。どす黒くてもなんでもよくて、いじめの苦しさを減らせる方法や考え方をフル動員するのがいいんです。

 こんな妄想をすることがあります。もし、偶然に外来診察でいじめの主犯格A君が現れたら診察・治療できるだろうか?と。たぶん、無理そうです。A君に直接反撃したい気持ちはすでにありませんが、もし経済的に苦しんでいる暮らしだったら、因果応報でしょ、と思ってしまうかもしれません。


Q4.いじめの経験をもとにいじめの対策についてどのように考えていますか?

 いじめ対策をする上で最も大事なのは以下の2点ではないかとずっと前から考えています。
 1.「ちくり」はこどもワールドでは重罪である。
 2.いじめられているこどもはぎりぎりまでいじめられっ子と認識されたくない(スクールカーストの最下位になっちゃう)。

 上記の認識のもとに、現実路線として重要と感じている点は、いじめられている人の苦しみを仮に10として、まわりが関与することにより15にしてはいけないことと思ってしまうのです。いじめについて無知だけれども情熱のある先生の介入は相当に危険な気がしています。むしろ、無関心(ノータッチ)の方が安全とすら思ってしまいます。当HPが紹介している方法は非常に現実的で、たとえうまくいかなくても苦しみ(被害者、協力の意志がある傍観者ともに)が増加しないように考えられています。うまくいって、10の苦しみが5とか3になればいいな、と思っています(この数字は件数ではなく、いじめの程度を表しています)。いじめが、件数として無くならないのは歴史が証明しており、「いじめゼロ!」、「いじめ撲滅!」はあくまでスローガンです。「いじめゼロ!」と本気で思っている人がいるとしたら、だいぶ認識が甘いですし、キツイいいかたをすれば頭お花畑でしょう。

 「いじめを周りで見て見ぬふりをするのは加害者と同じ」というとんでもない暴論を述べる、頭お花畑の大人がいます。そんなわけはありません。真正面から「いじめやめなよ」といってうまくいくためにはその子がいじめをしている子より「上」の立場であることが必要です(いやな言葉ですが、スクールカースト的に)。「下」にみられていたら、とんでもない被害を受けてしまいます。その点、当HPのアドバイスは非常に的確です。いじめの主犯格が気持ちよくならないように、さりげなく「つまんねー」の雰囲気を出すのがいいんです。さらに消しゴム作戦を見たときには「すごい!」と脱帽しました。


Q5.先生に相談する前に考えた方がいいことがありますか?

 いじめの早期発見・早期対応という言葉をしょっちゅう見ますが、この言葉には強〜い違和感があります。肺炎、骨折、がんなどの病気には細かく治療法が分けられており、このタイプの病気にはこういう治療がいいということがすでに分かっています(早期対応が可能)。
 しかーし、いじめには病気のようなわかりやすい「対応」があるのでしょうか?悲しいけど、「否」です。なのに、学校の先生は聞いてしまった以上、「対応」を余儀なくされます。現在、学校の先生に配布されているいじめ認知後の対応に書かれている「事実確認」は加害者に確認することが含まれているため、何も考えずに事実確認を行うと「ちくり」を加害者に露骨に知らせることになります。実際にはうまく「対応」する作戦(いじめられているこどもの苦しさを減らすこと)をほぼ持っていない先生も多いかと思います。思慮なく対応すると、容易にいじめの苦しさが10から15に増加することが予想されます。


Q6.先生、親に相談できそうにない時はどのようにしたらいいと思いますか?

 もちろん、大人が介入していじめの苦しみが減ったり、本当になくなったりすることもあります。しかし、担任の先生が生徒に「なめられている」先生だったり、そもそもいじめ対策に興味がない先生のこともあるかと思います。また、親が冷静さを欠き、激昂するタイプで、証拠もないのに相手の親に怒鳴り込んだり、先生に「なんとかしろー」と高圧的に言ってしまいそうなときもあるかもしれません。当HPの克服体験記で先生の介入により劇的にいじめが改善しているものがあります(ある意味ラッキー)。おそらくその場合は、その先生が加害者グループから、「結構、この先生いいとこあるじゃん」とか「マジでおこらせたらやべーな」とか、自分たちより「上」にみられている場合ではないかと思います。

 先生がいじめに加担している例が報道されることがありますが、それは極端にまれなケースです。基本的には多くの先生は善人ですが、なかなか根本的な「対策」を案じるのは難しいでしょうし、先生自身の人生の問題があります。いじめの発生そのものに対する先生の関与は私は薄いと思っているのですが、なぜかいじめを発生させるのがマイナス評価にとられ、先生はいじめを解決すべきであるという風潮になってしまっています。そうなれば、無かったことにしたいという心理は当然と思ってしまうのです。

 長期的な視野でいじめ対策を改善していくことを(政治的に)期待したいところですが、それはリアルに苦しんでいるこどもには何の慰めにもなりません。そいういった状況で、自分だけで何とかするための作戦はこのHPに多く記載されています(克服体験記を含めて)。「パシリ」対策におけるディフェンスバージョンとオフェンスバージョンの方法は本質をついていて、「きれいごと」でないことに感心します。いじめをあんまり知らない大人がいう「毅然と断りなさい」なんてくだらない意見に比べて、相当実用的です。全く悪くないのに「ごめん!」といって逃げるなんて、「うまい!」とすら思ってしまいます。

 私が経験したときと違っている部分があるとしたら、現在は証拠を残しやすいことかと思います(映像、無理だったら音声録音、もしくはスクショ)。もちろん、手書きメモも大事ですが、決定的な物的証拠はさらに強いでしょう(でも、相手にばれないようにね)。 とりあえずは証拠を残しつつ、置いとけばいいんです。それでいじめがフェードアウトすれば使わなければいいし、事態が悪化して、もはやいじめの事実を他の人に知られてもいいから何とかしたいという状態になったときに強力な武器となります。証拠が強ければ、加害者側に確認する作業(「ちくり」発覚の危険性)を露骨にせずに対応する可能性がでてきます。


Q7.なぜ、いじめ克服体験記を書こうと思ったのですか?

 現在進行形でいじめにあっているこどもに、「喉元過ぎて熱さ忘れている」大人目線で語られる「きれいごと」はこどもの心に響かないように思っていました。色々な情報を見た中で現実に近い「分析」をしている本はあるのですが、「対策」に関してはさねゆきさんが紹介しているものほど、実際的なものは見たことがありません。かねがね、いじめられているこども、特にまわりに相談する気にならないこどもの力になりたいと思っていました。自分の体験や考え方が少しでもいじめで困っているこどもの苦しさを減らせる方向になれば、と考え投稿することにしました。


Q8.親に相談しないこどもが多い理由はどのように感じますか?

 さねゆきさんが書いているように、中学生の時の気持ちで考えると、相談しないのが当たり前に思ってしまうのです。いじめられている側からすると、自分はA君にいじめられていることは痛いほどにわかっているのですが、この「恥ずかしい状況」つまり今でいう「スクールカーストの最下位に転落すること(プライドが大変に傷つくこと)」をもっとも恐れるのだと思います。もう少しいうと、比較的近くにいる5人くらいにはばれているが、それ以外の人にはいじめられていると認識されたくない(5人よりもっと増えてほしくない)、ということが実情なのでしょう。親に心配をかけたくない、という理由はどうもしっくりこないのです。いじめられているこどもにはそんな余裕はないと思いますし、少なくとも私には全くありませんでした。いじめが終わってから間もないこどもでも、卒業後に時間がたって「喉元過ぎて熱さ忘れている」大人でも、親に心配をかけたくない、という理由を述べていることを良く見かけます。でも、ものすごく優しい性格の人以外では、本来の理由に無意識・意識的に関わらず一枚かぶせているのでは?と穿った見方をしてしまいます。


このページのトップへ
1/1 > 克服体験談集(男)
克服体験談集(女)   いじめと戦おう!トップ  サイトマップ