いじめと戦おう!〜対策と克服法〜
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 シカトくずし(一人目とその友だち−強固なとき)

 本当にとりつくしまもない、というときは、仕方ありません。”シカト”そのものをくずしていきましょう。


 もうあやまれそうにない
 シカトグループそれぞれの人がお互いを見はっている
 夏休みの計画がどうでもよくなるまで
 とにかく「しゃべっちゃった」という事実をたくさん作る
 グループからはぐれている時に、話しかける
 鏡の法則
 フレンドリーに話しかける
 まず、あいさつでこじ開ける
 『自分はいい人』というイメージ
 『自分』のイメージをゆさぶる
 シカトをゆるめる”クラスの人たちを味方にする”


 ★↓こちらの克服体験談が、とても参考になります!ぜひ読んでみてくださいね。
 克服体験談99



もうあやまれそうにない

 もう、”シカトするのがふつう”みたいな雰囲気になってしまいました。今さら、「ごめん!」とあやまっても、「は?なんのこと?」と、冷たく無視されそうです。一人目の友だちも「シカトして当然」という感じで、とりつくしまもありません。

 もうこうなったら、「あやまる」のはあきらめて、”シカト”そのものをくずしていきましょう。あやまれない以上、一人目は放っておきます。それ以外の子の”シカト”をやめさせましょう。

 そして、はじめの「ただの仲が悪い二人」のころに近づけていきます。


もうあやまれそうにない





シカトグループそれぞれの人が、お互いを見はっている

 今は、シカトグループみんなが、お互いに見はっています。

 かれらは、悪口を話しのネタとして、持ちよりあったと思われます。悪口を自分から進んで言ってしまった人は、より「シカトしなくちゃいけない」ようになります。

 一人目の子から悪口を聞いて、「へー」と言っているころは、まだ「でも、やっぱりオレは仲よくしたい」と、引き返すことができます。「オレはそうは思わない」と。

 でも、自分から進んで「この間、あいつ〜してたぜ!ムカつく!」と言ってしまうと、もう自分で「オレもシカトする!」と宣言したのと同じです。それを聞いた相手も、「じゃ、こいつも嫌いなんだ」と、思います。

 お互いに、悪口を言ってしまった責任、楽しんで聞いてしまった責任が生じるのです。いつのまにか、「(悪口を言ったんだから)シカトしなくちゃおかしい」という雰囲気になり、なんだか互いに見はっているようになります。


シカトグループそれぞれが互いに見はっている





夏休みの計画がどうでもよくなるまで

 夏休みには宿題が出ますよね。「一ヶ月でこれをやってこい!」と、バーンとでます。一日や一週間では、できない量です。それで、「前もって計画を立てましょう!」と、言われます。

 はりきって立てます。計算すると、「なんだ、一日たったの2ページじゃないか!」と分かりました。

 みなさんは、夏休みの計画を立てたことがありますか。私も毎年立てました。しかし、恥ずかしながら、最後まで守れたことがありません。立てたときは「よし、やるぞー!」と、思っているのに、できませんでした。

 毎回、似たようなパターンで、計画がどうでもよくなっていきました。

こんなかんじ
いつ 計画では じっさいの一日
夏休み前 0ページ  一日2ページずつだけど、今からやって進めちゃお!よし、6ページもできた。
1日目 2ページ  6ページやってあるけど、もっと進めちゃえ!よし、12ページまでできた。この調子でいくと、あっという間に終わるなあ。
2日目 4ページ  今日はプールでつかれた。計画もよゆうがあるし、アニメ見よっと。
3日目 6ページ  今日はやる気がでないなあ。明日、まとめて6ページやればいいや。
4日目 8ページ  急に○○くんが遊びにきた。今日はしょうがない。ことわれないし。
5日目 10ページ  まだ夏休みいっぱいあるし、いっか。
・・・ ・・・  もう計画どうでもいい

 計画を気にしているのは、始めのうちだけでした。”毎日”2ページのはずが、「明日、その分やればいいや」と、必ず計画をやぶる日があり、ストップしていました。

 そして、何回か計画やぶりをしただけで、まだもどれるはずなのに、どうでもよくなってしまいました。




とにかく「しゃべっちゃった」という事実を、たくさん作る

 シカトとは、「相手が何を言ってきても、反応しない」態度を、”ずーっとつづける”ことです。だから、「無視するけど、たまにしゃべる」とか、「しゃべるけど、たまに無視する」というのは、”シカト”とは言えません。

 「シカトするぞ!」と決めたからには、どんなときでも話してはいけません。先生の前などで、話すのを強制される時以外は、話せません。


 シカトしてる人は、「これから先、ずーっと話さない」という、行動の方針を立てています。自分の行動のルール、計画と言ってもいいでしょう。

 シカトは、ゼロかイチかのいじめです。だから、とにもかくにも「しゃべっちゃった」という事実を、どんどん作っていくことで、「シカトしている」と言えなくなっていきます。


とにかく「しゃべっちゃった」という事実をたくさんつくる





グループからはぐれている時に、話しかける

 一人目以外の人たちが、シカトする大きな理由は、「(あなたと)仲がいいと思われたら困る」というものです。そこで、仲がいいと思われる心配がない時に話しかけましょう。


 見てる人がいる時は、あなたが話しかけても、すぐに「仲がいいと思われたら困るっ!」と、無視できました。それだけで十分でした。でも、見られる心配がなければ、同じ理由は使えません。

 実際に「嫌なこと”された”」と思っているのは、シカト一人目の子だけです。ほかの子は、”ムカつく”と口では言っていても、あなたに何か”された”わけではありません。

 だから、その時に話しかけられたら、一瞬「うっ」ととまどいます。でも、返事するなら、すぐしなければなりませんから、悩んでいる時間はありません。すぐに返事か、シカトか決めなくちゃなりません。

 だから、一人のときは、もっとも「ま、いいか」と話してしまいやすい時、と言えます。


グループからはぐれているときに話しかける





鏡の法則

 鏡の法則とは、「人から何かされたとき、”つい”同じように返してしまう」法則のことです。「”つい”同じように返してしまう」とは、言いかえれば、そうしたほうが”楽”ということです。

 ていねいな言い方をされれば、ていねいに返事したほうが”楽”です。つっけんどんな言い方をされたら、つっけんどんに返事したほうが”楽”です。

 この法則に逆らいたいと思えば、それなりのエネルギー・理由が必要になります。


鏡の法則





フレンドリーに話しかける

 シカトする人に話しかけるなら、うんとフレンドリーに話しかけましょう。「え?シカト?なにそれ」という感じで、そしらぬ顔で話してみましょう。

 そもそも、『シカト』なんてルールは、相手が勝手に作ったものなので、こっちはそんなの知ったこっちゃありません。相手がシカトしているからといって、話しかけちゃいけない、なんてことはないわけです。

 というわけで、どうせ話しかけるなら、うんとフレンドリーに明るくしてみましょう。フレンドリーにすればするほど、相手はシカトで返すのが大変になります。

 教室では、「みんなが見てるから」と言いわけして、この法則に逆らうことができました。しかし、グループからはぐれていれば、その言いわけもできません。

 「見られる心配もなく、フレンドリーにされてる。それでもシカトする?」と、せまりましょう。


フレンドリーに話しかける





まず、あいさつでこじ開ける

 「『おはよう』と言われた時、返事しますか?」と、いろんな人に聞いたら、ほとんどの人が「返事します」と答えるでしょう。「無視しなさい」と教える親も先生もいません。もう、ほとんど「返事しなければならない」というくらいの、基本的なルールです。

 若い人で、悪ぶって無視する人もいます。しかし、悪いことだと分かっているから、あえてそうするのがカッコイイと思っているんでしょう。返事しちゃいけないと教わっているから、ではないと思います。


 あいさつを無視するには、小さいころから、たたきこまれたルールに逆らわなければなりません。だから、逆らうと「ぼくは、いけないことをした」という気持ちになりやすいです。なんとなく、どよ〜んとした嫌な気分になります。

 シカトしてる人に、あいさつしちゃいけない、という決まりはありません。むしろ、あいさつはいいことです。バンバン、元気よくしていきましょう。また、「何を話せばいいんだろう・・・」と、いちいち考えなくてもいいので、とてもべんりです。

 あいさつする時は、名前もつけましょう。ただ「おはよう!」と言っただけでは、「だれに『おはよう!』と言ったのか分からない」と言いわけして、楽にシカトできてしまいます。だから、なるべく「○○くん、おはよう!」と言いましょう。


まず、あいさつでこじ開ける





『自分はいい人』というイメージ

 実は、ほとんどの人が、『自分はいい人』だと思っています。

 こわいお兄さんたちや、こわいおじさんたちは、後輩に気前良くパーッとふるまったり、スジを通したり、意外に家族思いだったりして、『自分はいい人』というイメージを保ちます。

 「戦争するぞー!」と命令した偉い人たちも、「国益を守るために・・・」とか、「軍部がうるさく言うから」とか、とにかく”仕方ない”と言いわけして、保ちます。

 たくさん人を殺した昔の人も、「私がゴミのようなやつらを殺して、世をそうじしなくてはならない」とか言って、保っていたと思います。


 いじめっ子たちも例外ではありません。どんなにひどいいじめをしていても、「オレはいいやつだ」と思っています。いじめているのに、なんでそう思っていられるかというと、相手が”悪者”だからです。

 よくある”ウザイ・キモイ・自己中”は、まわりの人に迷惑をかけてる理由として、使われます。まわりの人がそう思っていれば、その人は”悪者”になってしまうので、何をしても”かわいそうだな〜”という気持ちになりません。そして、”笑い声”によって、その状態を確認します。


「自分はいい人」というイメージ





『自分』のイメージをゆさぶる

 シカトは、「”全く”話さない」、ゼロかイチかのいじめなので、数回話してしまえば、もう成立しません。

 しかし、「だれも見ていないときだけ話して、いる時はシカトしよう」と、都合よく考えることもできます。でも、今度はそうすると『自分』のイメージがどんどん落ちぶれていきます。だれも見ていなくても、自分は必ず目撃者なのです。

 『自分』のイメージを守りたいので、「なんでそうまでしてシカトしなくちゃいけないんだろう。もうどうでもいいや。オレは話そう」と、考えを変えていきます。


「自分」のイメージをゆさぶる





シカトをゆるめる”クラスの人たちを味方にする”

 とにかく、「しゃべっちゃった」という事実を作るために全力をそそぐ、というのがシカトくずしです。

 もっとくずしやすくするために、”クラスの人たちを味方にする”もあわせてやっていきましょう。話しかけられた瞬間、「ま、いいか。話しても」と、思いやすくするためです。

 うっすらと、(なにげに、いいやつじゃないか)と思ってもらうだけで、「ま、いいか」と返事をしやすくなります。あなたも、話しかけやすくなります。


シカトをゆるめる自己中つぶし



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